ヴォーカルのJJ Greyを中心とした、JJ Grey&Mofro。今回が初来日にして、フジロック初出演を迎える。彼らは普段フロリダをベースに、4人組で活動しているバンドのひとつ。正直フジロックに出演が決定するまでは、自分にとって馴染みのないバンド名だった。けれど彼らのことを調べているうちに、一度はステージを体感したいと思ったのがレポートをするきっかけだ。
ライヴはギターと鍵盤、ドラムとベースに加えて、トランペットとサックスも参加した7人編成でスタート。安定感のある力強いソウルフルなナンバーで、実力をまざまざと見せつけてくれる。そして正統派ロック・バンドかと思いきや、繊細でムードのあるナンバーも。まさにジャム・バンドのように、ジャンルを越えた表現スタイルを兼ね備えている。
彼らはステージ上で激しく動くことはないけれど、見ているだけで充分に音楽のパワーをひしひしと感じることができる。だからこそ会場では、飛び上がったりするオーディエンスが集まるのだろう。また、落ち着いたナンバーでは、カップルが手を取り合い楽しむことも。1曲ずつ楽曲の雰囲気がガラリと変わるのも嬉しいところだ。
そして8月7日には、アルバムを発売することが決定している彼ら。今作ではエリック・クラプトンのツアーにも同行した経験のある、ギターリストのデレク・トラックスが参加している曲もあるそう。きっと今後も何かと注目されるに違いない。そして再び来日するときには、さらに日本に浸透していることを願っている。
写真:北村勇祐
文:松坂愛