MUSEの興奮覚めやらぬフジロック初日。雨で予想より体力削がれた…とか初日に飛ばすと最終日のまりんが…とかオトナなノイズを脳内でぐるぐるさせつつ、足は自然とオレンジコートに向かってしまいます。
ボードウォークを抜けて眼下に広がったのは、田んぼのようなぬかるみをものともせずに踊りまくるタフなフジロッカーズの姿でした。みんなさすが過ぎる。そしてしみじみ実感したのです…こここそが俺のホームだ…。
思えば、昨年は豪雨で無念の中止とあいなったオールナイトフジ。今年の雨量もかなりのものだったことを考えると、無事開催できたことをまずは喜びたい。おかえりオールナイトフジ!ただいま俺!
シャンパンを瓶ごとガンガンラッパ飲みして「完璧に酔っ払った!」とマイクで煽りまくるFISCHERSPOONERに翻弄されるべく田んぼに突入すれば、下腹に響く重低音で疲れも吹き飛びます。続いて登場したKEN ISHIIのあまりにガチンコないつものテクノを目の当たりにして、座っていられる人などいるはずがありません。
年々豪華になるビジュアル面も今年はさらにパワーアップし、ステージバックとDJブースをシームレスなスクリーンとして活用した凝った映像の投影や、お馴染みのスモーク、さらには火柱(これって今年はじめてじゃなかったかなぁ)など、眼にも素敵に楽しませてくれます。
踊りまくった体をハイネケンで冷やしつつふと夜空を見上げると、雲越しではありますが月がくっきりと見えました。これが最高でないなら、他になにがあるのか!
写真:前田博史
文:永田夏来