フジロック2日目の朝、なにか明るく元気だけど、なんかロックじゃないモノを聴きたいなぁなんて思ったら、このバンドの出演を知った。マリーンズ・ビッグ・バンドは、「千葉県を中心に活動しているアマチュアジャズオーケストラ」ということで、ステージ上には総勢21人。名前の通り、千葉ロッテマリーンズの帽子やタオルを着用している人もいる。メンバーの年齢層は高め。おじさん、おばさんたちで構成され、ほとんどがお揃いのアロハシャツを着ている。
ゲストにプロで活動している田中哲也なども参加していて、何度もソロコーナーを任されていた。一曲目は映画『ロッキー』のテーマで始まる。原曲よりテンポを速くして踊れるようなアレンジ。やはり間近で聴くと15本の金管楽器の迫力を感じる。オレンジコートのお客さんたちは、まだ、まばらで、椅子に座ってまったりと聴いている人も多い。演奏が始まると徐々に人が増えていき、田中哲也のソロには大きな拍手が送られていた。あとは、コール・ポーターやディジー・ガレスピーの曲を取り上げたり、オリジナル曲を演奏したりしていた。メンバーの女性がヴォーカルをとる曲も2曲あり。暑く、日差しが強い苗場の朝にはこういう爽快な音楽が似合う。夜のジャズでなく、朝のビッグバンドジャズもいいものだなと。今度はグリーンステージでフルオーケストラによる爽快なクラシックを聴きたくなった。
写真:穂谷益代
文:イケダノブユキ