アラゴンより来たるは、ラテン・メスティーソ(混血)音楽のニュー・カマー、マヤカン。ジャンルではくくりきれない多種多様な切り口と、怒濤のテンションで攻めてくるのが、マノ・ネグラ以降のバンドの特徴だ。
ホーンにギターやキーボードが絡んで組み立てられる音像には隙がなく、塊そのもの。その圧力は通りすがりの者を巻き込み、新たなフォロワーを生む。前日のラ・ルーダがやたらと男前だったのに対し、こちらは熱血漢といったところ。激しく、つんのめって攻めてくる感じだ。
アラゴンに伝わるバグパイプの「ガイタ」が登場すれば、フジで数々の名演を繰り広げたアイリッシュ系バンド(ザ・ポーグス、フロッギング・モリー、ザ・トロージャンズ、などなど…)とリンクしたのか、オーディエンスはさらにヒートアップ。そんな鳴らせば爆ぜるような状況に、スカパラの”ダウン・ビート・ストンプ”のリフを投下し、最後はフェルミン・ムグルザの、ネグ・ゴリアック時代の楽曲”ゴラ・ヘリア”で〆たのだった。
写真:中島たくみ
文:西野太生輝