京都に拠点を置くNabowaは、セカンド・アルバム『Nabowa』をひっさげて全27ヵ所にも及ぶ全国ツアーを敢行したばかり。ツアーフィナルとなった代官山UNITのステージでも、マイペースながらもつい見入ってしまう世界観を作りあげてくれた。そしてこの日は同アルバムにも参加していた、女性ヴォーカルのACOを迎えてのステージとなる。
ちょうど照明が映える、19:00頃にスタートした彼らのライヴ。メンバー4人がステージに立った瞬間、まるで映画の一部分を切り取ったかのような光景が。それほど森をバックにした舞台と、彼らたちが絵になるほどよく似合っていた。
インストを基調としたサウンドの中でも、とくに耳に残るのは様々な表情を見せるヴァイオリン。まさに透明感のある声のようにクリアな音色だ。そして4人が奏でる音世界は、いつ聞いてもめいっぱいの愛が注がれている気がしてならない。まるで一音一音が輝かしい光を持っているようだった。
そして4曲目あたりに入るところで、ようやくACOが姿を見せてくれる。まず演奏してくれたのは、ACOの代表曲でもある「4月のヒーロー」。まさかこの場で聴けるとは夢にも思っていなかっただけに、ググッと喜びが沸き上がってしまう。気付くとカラフルな色を見せてくれる彼女の歌声に、すっかり酔いしれてしまっていた。
次いでセカンド・アルバム『Nabowa』でコラボした、「キッチンへようこそ feat.ACO」を。5人が放つ音や歌たちは、人が持つ暖かな気持ちを十二分に感じさせてくれる。ちなみにACOは、約4年6ヵ月ぶりにアルバム『devil’shands』を10月6日に発売する予定。きっとこの作品でも、鮮やかな風景を見せてくれるはずだ。
また、緊張していたというギターの景山奏は「雨の中ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです」という言葉を。この一言には、精一杯の感謝がビシビシと伝わってくるようだった。そして11月21日には東京のEATS and MEETS Cayで、ワンマンライブも決定している彼ら。今後の展開にも、しっかり注目していきたい。
写真:船橋岳大
文:松坂愛