変わることを否定することのない、前向きな言葉の数々。まるで人も世界もいずれ変化するということを、改めて教えてくれるようだった。そんなライヴを繰り広げたのは、ギターとマンドリンからなるユニットのYoLe YoLeでも活動する児玉奈央である。
フジロックには、2回ほど他のバンド名義で出演している彼女。個人で呼ばれるのは初めてとのこと。今回はグッドラックヘイワの伊藤大地など、サポートメンバーを3人迎えて登場した。
堂々とした彼女の暖かな声が会場に響き渡ると、どこか安心感に包まれていくのが分かる。きっと目の前に暗闇があったとしても、一筋の光になってくれるような歌声だ。そして中盤には、母校の先輩でもあるハナレグミが書き下ろしたという「SPARK」を。“普段は恥ずかしがりやだけれど、スパークできる時間を大切にしよう”という気持ちを込めて歌っているそう。彼女にとって音楽とは、生きる活力なのかもしれない。
彼女は8月18日に、セカンド・アルバム『SPARK』を発表予定。Coccoなどのバックバンドでも活躍する椎野恭一や、グッドラックヘイワなどのミュージシャンを迎えたとのこと。きっと彼女らしい柔らかな音世界を、感じさせてくれるに違いない。伸び伸びと表現された楽曲を、ぜひ身をもって体感したいものだ。
写真:船橋岳大
文:松坂愛