一日目と同じく、朝はよく晴れて、気温も高くなっていた。まさにHAWAIIAN6にはぴったりなシチュエーションである!登場するやいなや、ベースのトオルがオーディエンスを煽る煽る。もう暴れたくてしかたないキッズたちの火に油を注いでいるよな状態に見えた。「天気いいなー!思いっきり遊ぼうぜー!」とドラムの畑野がエンジンをかける。Light And Shadow、Fantasy、Song Of Hateといずれもアルバムの1曲目を飾る曲を並べるあたり、かなりの攻撃態勢であったことが伺える。いきなりトップギア過ぎる!オーディエンスも負けじと応戦する。
「素晴らしい景色ですね!この景色を見て、なんて自分は気の小さい人間なんだろうと思いました。あーーこの景色みんなにも見せたい!見せれますかね?」
と言ってカメラを合わせ、ステージ横のスクリーン上に畑野の視界を映し出した。
畑野はフジロックのステージに立てることを誇りに思うと言っていた。みんなでその思いを共有したかったのだろう。そんな畑野の粋な計らいに心が躍る。選ばれた人間だけしか見ることのできない景色を目の当たりにして、フジロックのデカさを改めて確認した気がした。
特に印象的だったのはあの場にいた人たちの表情である。
HAWAIIAN6の3人はスクリーンに大きく顔が映し出される度、本当にいい表情を浮かべていた。満足げであり、とても堂々していた。お客さんもBlack Out、A Cross Of Sadness、The Black Crows Lullaby、Magicなどの新旧キラーチューンのオンパレードに喜ばずにはいられない、といった感じの笑顔であった。
最後は諦めない歌、Ever Green。ひとつのことを続けること、ひとつのことが変わらずにあり続けること、その難しさを彼らは語る。選ばれた者だけが見ることのできる景色を、見ることができる人たちにも苦悩は絶えないはずだ。そんな中でもHAWAIIAN6は絶対に諦めない。いつだってそうだ。それが彼らであり、だからこそ私たちはそんな彼らを見て勇気をもらえるのだ。
写真:北村勇祐
文:岡安いつ美