まさに、雨を見たかい? このライヴは最後の曲”Proud Mary”から降りだした豪雨によって伝説になった。
フジロック2日目、まだ明るさが残るグリーン・ステージにジョン・フォガティが登場した。始まる前は、クリームやジミ・ヘンドリックスやザ・フーが流れていて、オヤジ大歓喜の選曲だった。バンドは、ギターが3人(うち、ひとりはヴァイオリンやパーカッションなども兼ねる)、ベース、キーボード、ドラムスという編成に、ジョンで7人である。ジョンは青いチェックのシャツにジーンズ姿でアメリカの労働者風の格好。まずは、”Hey Tonight”から始まる。
ジョンは元気いっぱい。力強い声で歌い、ステージを右へ左へ走りまくる。選曲はいちいち書かないけど、要するにベスト・オブ・CCRだったのだ。CCRの名曲の数々がフジロックで聴けるという幸福をお客さんたちは噛みしめていた。たくさんの人たちが待っていた名曲中の名曲”Have You Ever Seen the Rain?”はライヴの中盤に披露された。喜ぶステージ前のお客さんたちに、ジョンは大合唱を促し、モッシュピット周辺の人たちはサビを頑張って歌えていた。続いて演奏されたのは、ロイ・オービソンのカヴァーである”Oh Pretty Woman”。最近、ジョンのライヴで演奏されている曲で、みんな知っている曲だけに大盛り上がり。
ジョンのソロの曲”Big Train”では、ジョンのギターとヴァイオリンとのソロバトルがあったし、”Keep On Chooglin’”のイントロではへヴィメタルのギタリストのようなアーミング、そしてライトハンド奏法までやる。またソロの曲”Centerfield”では、野球バット形のギターが登場。歌詞で「ジョー・デマジオ」と歌うところを「ドント・フォーゲット・イチロー」と変えていた。
あとは”Bad Moon Rising”などヒット曲大放出。やっぱりストレートなロックンロールは間口が広くてたくさんのお客さんの心を掴めるのだろう。そして”Proud Mary”で盛り上がり締めくくって、雨だったのだ。
写真:熊沢泉、文:イケダノブユキ