俺たちが日本のブンブン・サテライツだ! というような自信と誇りに満ちたライヴだった。
ブンブン・サテライツはフジロックに何度も出演して縁が深いので、ホーム/アウェイでいえば、ホームといってもいいくらいだけども、グリーン・ステージに立つのは初めてである。ホワイト・ステージでは存分に力をみせている(2005年のライヴはDVDとして商品化されたくらい)けど、大きさが2倍となるグリーン・ステージではどうなのか。グリーン・ステージが大きすぎて力不足を露呈したバンドだっているのだ。
演奏が始まると、お客さんはだんだん増えていって、泥田のようにぐちゃぐちゃになっているPAブース脇のスペースまで埋まるようになった。それは、もちろん次に演奏するバンド目当ての人が多かったからなんだろうけど、ブンブンへの反応をみていると、そういったお客さんを巻き込んでいくだけのパワーを存分に発揮できたのだ。
それはブンブン・サテライツがグリーン・ステージにふさわしい音楽的なスケールの大きさを獲得したからだろう。今までホワイトステージで聴いてきた”Fogbound”や”Kick It Out”や”Dress Like An Angel”の激しさや、音の厚みが何倍にもなってグリーン・ステージの隅々まで届くようになったのだ。
ライヴは”Easy Action”で始まった。ヴォーカル/ギターの川島はステージ駆け巡りお客さんを煽る。川島のギターはハードで、ラウドで、かつ鋭く、中野が操る電子音や攻撃的なベースと一体となって迫力を生む。川島はギターの、中野はベースの、フライングVを持っているのだけど、二人が並んでそれを上に掲げ、お客さんを沸かせた。この日の一番の聴きどころは”Stay”のゆったりとしてスケールの大きい音像をグリーン・ステージで十分に再現できたことだ。またひとつステップアップして、次の段階に進んでいることを確認できたものだった。
写真:前田博史
文:イケダノブユキ