曇り、時々晴れ、微風というフジロック3日目昼間のグリーンステージに登場したのは、オーシャン・カラー・シーン。何度かフジロックには登場しているので、お馴染みのバンドである。すでにベテランといっても差し支えない年月を重ねたバンドであり、その年月からくる貫録や余裕をステージ上で十分に発揮していた。
始まる前は、ビートルズの『アビー・ロード』が流れていて、いかにもという感じがほほえましい。登場してまずは、”The Riverboat Song”から始まる。賑やかなギターリフが鳴りステージ前のお客さんは歓声を上げる。早くもハンドクラップを要求してステージ前が応える。それをみてご機嫌な表情でビールを飲むヴォーカルのサイモン。続いて演奏されたのが、”The Circle”。『モーズリー・ショールズ』2連発でオールドファン歓喜の流れである。
”Profit In Peace”では、ドラマーのオスカーが歌いだしのヴォーカルを取り、サイモンが本編を歌う。この「平和には利益がある」というストレートすぎる反戦ソングは最近のオーシャン・カラー・シーンで繰り返されるメッセージである。そして、お客さんたちに「Don’t wanna fight no more~」とサビを合唱させる。”Magic Carpet Days”のマンドリン(?)はローディの人が演奏する。このローディの人はテルミンを演奏したり陰ながら活躍していた。
新しいアルバムの曲をもっともっとやってくれた方がよかった。中盤は少しマッタリしすぎたかなと思えるだけに、”Sing Children Sing”とか”Rockfield”とか、やってほしかったのが正直なところ。もしかしたら、苗場のユルい空気に感化されたのかもしれない。締めに”Hundred Mile High City”、そして”The Day We Caught The Train”とみんなが待ち望んでいた曲を演奏。”The Day We Caught~”では、サイモンがコーラスを促し、それに応える。思えば99年の3日目のグリーンステージでもこの今日で大合唱したことを思い出し、10年経っても変わらなさに感慨にふけり、そしていまだに、この場でこの曲を聴くことができることに感謝してしまうのだ。
写真:穂谷益代
文:イケダノブユキ