SUPER JUNKY MONKEY

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7/30 01:09  Twitterに投稿する

天衣無縫。

SUPER JUNKY MONKEYのライヴを見ていると、そんな事を思う。もちろんハード・コアの元祖なんて呼ばれる事の多い彼女達のこと、フジロック初日の朝一番、会場となったレッドマーキーはいきなり喧騒に包まれていた。

90年代に活躍した彼女達は、まさにその90年代の終わりにヴォーカルのMUTSUMIの急逝により活動を休止する。そして去年、MUTSUMIをのぞくバンド3人が、10年ぶりにステージに復活した。当初ライヴは「一夜限りの復活」と題されていたが、今年の苗場のステージに、再び彼女達は戻って来た。

「気持ちいー!」

こう叫んだのはギター&ヴォーカルのKEIKO。ステージに3人が現われると、一気に客席から大歓声が上がった。そのテンションの高さに、最前の柵前で守りを固めるいかついセキュリティが、顔に手を当てて嬉しそうに苦笑いしていた。

「夜の11時じゃないからね今!(力は)とっといてとっといて!」そう叫ぶのはドラムのまつだっっ!!。「抑えて抑えて。インターバルとっていいですか?熟女バンドなんで。もうね、リハーサル中に肩痛い腰痛い足痛い。”皇潤”な感じで(笑)。」

どこがじゃー!轟音でフロアを煽り、ドスのきいた低音のうねりから一気に曲が展開する瞬間なんて、おー来た来たあっ!感が抑えられない。良い意味でお客さんもキリキリ舞いで、とても熟女の健康食品が必要なバンドには見えない(笑)。

客席から「しのぶーーー!」と叫び声があがると、ベースのかわいしのぶが両手をあげてポーズを作ってみせた。演奏後、去り際にまつだっっ!!は客席に投げキスをして去っていった。ステージは完全に気負わずてらわずの天衣無縫。しかも攻撃型。フジロックがこうして、幕を開けたのだった。

写真:岡村直昭
文:小田葉子