TRICERATOPS

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7/31 12:45  Twitterに投稿する

客電が落ち、サングラス姿の和田唱が現れると、客席からい歓迎の声があがる。意外なことにフジロックは初登場のトライセラトップス。ずっと同じメンバーで、コンスタントに活動を続けてきた彼らの登場を待ちわびた人は少なくない。午前中のスタートにもかかわらず、レッドマーキーにはたくさんの人がつめかけている。”踊れるロック”と称される彼らだけあって、初っ端の”Party”から客席が揺れる揺れる。「このパーティに参加しようぜ!」と歌うこの曲は、初舞台の幕開けにふさわしい。さらに”Going To The Moon”が流れると、早くもその波は最高潮になる。この曲がCMで流れたのはもう10年ほど前だと思うけれど、今でも変わらず人々を揺り動かすのだ。和田唱がMCで「自分の信じていることを続けてきて本当に良かったと思う」と話していたのは、フジロックに出られた事とともに、こういう瞬間に出会える事も含めて言っていたのだろう。
気持ちのいいうねりが続く中で、個人的に「ここで”Raspberry”が聞けたら最高だな」と思っていたら、聞き覚えのあるイントロが! 待っていたのは自分だけではなかった。いっせいに歓声とたくさんの腕があがり、最高潮と思われた波がさらに大きくなった。ここでこの曲を持ってくるところや、甘い歌詞をファンを指差して歌ったりと、サービス精神は文句ナシ。フェスの戦い方を知っているところはさすがだ。サビはもちろん会場中で大合唱。素直に「楽しい〜!」と思える。もう大満足だ。3人揃って客席にむかって頭を下げ、彼らが去った後も体の中には心地よい感触が、顔にはもちろん笑顔が残っていた。

写真:古川喜隆
文:輪千希美