THE BAWDIES

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7/30 12:49  Twitterに投稿する

フジロックの想いが溢れたステージになった!

 フジロック1日目、前日の豪雨とは一変、青空も雲の間から観ることができようになった。ホワイトステージには、3年前のルーキー・ステージから抜擢されたBAWDIESが登場する。本番の前に公開リハーサルとして、”SHAKE YOUR HIPS”そして、”NOBODY KNOWS MY SORROW”を演奏した。そして、約30分のインターバルを経て、待っていた瞬間が始まる。いつものように、サム&デイヴの”SOUL MAN”が流れてバンドが登場。MCなしで”IT’S TOO LATE”から始まった。

 お客さんたちは徐々に集まってきて、ステージ前はいい感じで、踊っている人が多数。ルーキー出身といえども、邦楽のフェスと比べればフジロックはBAWDIESにとってアウェーだろう。おそらく「ちょっと観てやろうか」と試す気持ちで来ている人だって多いと思われる。だけども、今の彼らの勢いはそういう人たちも巻き込んでいく力があった。最初からホームグランドであったかのように暴れまくる。ギターのJIMは暴れすぎて早くもマイクスタンドを倒してしまう。

 ROYのMCもホームのお客さんに語りかけるようだった。「朝食は食べましたか? こういうことを聞いたのはやさしさです。でもまだ食べられるんじゃないですか? ”HOT DOG”を召し上がれ!!」と演奏に突入していく様子は、堂々としていてお客さんたちと積極的にコミュニケーションをとりたい気持ち、そして、たくさんのステージを重ねてきた余裕と自信が感じられた。途中PAが悪かったり、ギタリスト2人が暴走しすぎた感もあるにはあったけど、今の彼らには何の問題もなかった。

 日本人なのに、老ブルースマンのようなROYのヴォーカル、そしてソウル/R&Bに根差し、オールドなロックンロールに忠実な曲調。新しい音楽でもないし、マニアックすぎて女の子に受ける要素なんて音楽的には何もないのに、今こうしたたくさんの女の子たちがステージ前に詰め掛け、楽しそうに踊っているという事実。これは、彼らのルックスや、親しみが持てる言動だけじゃないだろう。今ここでしか体験できないリアルなロックンロールを演奏できるバンドだからこうして、マジックが起こり続けているのだ。

 ROYは繰り返し「愛」という言葉を発した。それは今まで付いてきてくれたファンに対しての愛でもあり、一見さんも巻き込んでしまうような空気を作り上げたを指すのだろう。少しテンポを落として、”I’M IN LOVE WITH YOU”あたりを途中に挟むあたり上手く緩急をつけている。力押しだけでないバンドの姿をみせていた。しかし、やっぱり最後はロックンロール攻撃。”KEEP ON ROCKIN’”でコール&レスポンスをおこない、さらに「あなた自身が花火になって打ち上がってください」と”YOU GOTTA DANCE”で、みんなをジャンプさせる。締めはいつものTAXMANによる「わっしょい!」の大合唱だった。最高のフジロックのスタートを飾ることができたのだ。 

写真:熊沢泉
文:イケダノブユキ