STRAIGHTENER

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7/31 11:30  Twitterに投稿する


「4年ぶりのフジロック、ワールドカップみたいだな」というホリエアツシのMCが特に印象に残っている本日のライヴ。緊張しているというMCもあったが、それを吹き払うかのように、とてもアグレッシヴな姿勢が目立っていた。一昨年4人体制になって着実に進化/深化したストレイテナーは、気合十分なパフォーマンスで、バンドのポテンシャルの高さを十二分に伝えてくれた。

久々のフジロックのステージに興奮してか、グルーヴィな演奏が印象的な「KILLER TUNE」、雷鳴のようなリフが炸裂する「クラッシュ」、心地よい嵐が吹く「Melodic Storm」と一気の畳みかけでライヴはスタート。いきなりエンジン全開でオーディエンスの興奮を誘い、大きな歓声があがる。4人になったことでのダイナミズムより強さと迫力を増しているのが印象的だが、詩的なメロディや感情的な歌が胸に響いてくるところがテナーの良さとして挙げられるだろう。その鋭利な部分と叙情的な部分の絶妙なバランス感覚がまた人を惹きつける。新境地と呼べそうな「Man-Like Creatures」では叙情的な美しい前半から、シンセが視界を開けるように慣らされた瞬間に4つ打ちのデジ・ロックへと変貌を遂げて、人々を躍らせにかかる。4人体制になった進化がこの1曲だけでもわかることだろう。また、時折繰り出す日向のスラップ・ベースの気持ちよさ、見事な手さばきと力強さで牽引するドラマー・ナカヤマシンペイがテクニックもまた目に焼きつく。

ヒット・シングルの「CLONE」に続いてはピアノをフィーチャした感動的なバラード調の「Six Day Wonder」を披露。この曲のアレンジが原曲と結構変わっていて、ファンにはサプライズの1曲となっただろう。終盤に演奏した「BERSERKER TUNE」も破壊力が3割増しで、とてつもない昂揚感を伴っていた。その勢いを持ったラスト2曲は「Little Miss Weekend」と「Discography」を演奏し、今日一番の興奮をもたらした。終了後には、4人そろってステージ前に肩組んで整列し、深々と一礼をしてステージを後に。その姿に客席からは大きな拍手が送られていた。

途中のMCで「これからも日本のロックをよろしくお願いします」と謙虚に語っていたが、今日は日本代表として、しっかりと責務を果たしたと思う。凄くいいライヴであった。

*一部、間違った記述があったことを訂正して深くお詫び申し上げます。

写真:深野輝美
文:伊藤卓也