BELLE AND SEBASTIAN

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8/1 11:24  Twitterに投稿する

 なんか、こういう終わり方もいいかなと思った。

 フジロック最終日、ホワイトステージの締めくくりに登場したのはベル&セバスチャンだった。おそらくアトムス・フォー・ピースが終わって流れてきたと思われるお客さんたちで、ホワイト・ステージはほぼ満員状態になった。夜霧が低いところまで下がってきて、小雨が降るような天候。かなり冷気に包まれていた。始まる前はファウンテンズ・オブ・ウェインが流れている。

 なんだか、大音量だとか、音の迫力だとか、そういうのばっかりを聴いていると、あんなにバンドのメンバーがたくさんいるのに、淡々とした音楽をベル&セバスチャンは聴かせてくれた。おそらく新曲”I Didn’t See It Coming”で始まり、”I’m A Cuckoo”、”Step Into My Office, Baby”とポップで軽快な曲が続く。スチュアート・マードックはジャケットを着用。スチュアートはふるまいはロック・スターのパロディを演じているかのようだ。

 ステージの上にいるのは、いつもの7人プラス、日本人の男女4人のストリングスなので、しっとりとしたストリングスの美しい響きが染み入る。スチュアートを中心に、プライベート・パーティを楽しむかのようなライヴだった。「マタふじ二モドッテコレテウレシイ」「ヤマデウタウノガスキ」と挨拶したり、ステージに客を上げて踊らせたり、ステージ上に虫が(カブトムシ?)迷い込んできたとかで、ビートルズの曲のイントロをスティービーが次々とつま弾いて歓声を上げさせ(”A Hard Day’s Night”とか数曲)て、鼻歌的に”Ticket To Ride”演奏し始めたけど、グダグダになってやめたとか、”If You Find Yourself Caught In Love”でスチュワートはステージを降りて、客席にダイヴをおこなった。ダイヴというのがベルセバらしくないのだが、十分遊んでいる感じが、むしろ良い。アッパーでも感動でもなく、こうしたユルく3日間を終わらせるのもいいと思えたライヴだった。

 ラストのラストは”Legal Man”。スチュワートは最後の挨拶をおこなう「キヲツケテ、カエッテ、オヤスミ」。では気をつけて帰りましょう。

写真:古川喜隆,文:イケダノブユキ