「あんなに笑顔だったら、ほんとこっちも楽しくなるよね」、曲の合間にお客さん同士がとびきりの笑顔でこんな会話をしていた。いやぁ、本当にその言葉につきるのが、昨日のアバロンに続いて、最終日のホワイトステージのトップバッターとして登場したMatt & Kim。「こんな朝早くからこんなに来てくれて本当にありがとう!!!!!」とマット。
ほんの数畳に収まってしまう2人の基地、ドラムセットとキーボードというコンパクトさはアバロンではちょうどいい大きさであっても、ステージも広く、高く、フォトピットというオーディエンスとの溝は、Matt & Kimのバンドの性質や、バンドとオーディエンスの密着性から考えるとほんの少しだけ不安要素となっていた。
いやぁ、本当にごめんなさい、マットとキムよ。最終日の朝イチのホワイトでこれだけのお客さんが集まり、最後には、全員が両手をあげて、あれだけの数のとびっきりの笑顔を見られるとは思っていなかった。エガちゃん風三点倒立にあと一歩! というマットのやんちゃぶりは今日も止まらず、楽器の前に出てきた2人の、いっやん、あっはぁんな動きが、大々的にスクリーンに映っちゃった時ったら。さらには2段に積まれたスピーカーに達、人差し指をかざしたかと思うと、ホワイトステージを支える支柱にもするすると登っていく。下には10人ほどのスタッフが慌ててスピーカーを支える一幕もあった。
ライヴの大枠の流れやもっていき方は昨日とほぼ同じだったけれど、あぁ、それ知ってる、なんて思いは一度もさせられなかった。ラストは”Daylight”。昨日までよりも少しは明るい空だけど、そろそろこんなステキなお客さんたちに、太陽さんよ、ステキな青空を見せてあげてね、そんな意味もこもったかのような1曲であっとゆう間のライヴを終えた。初めての来日で、これだけの笑顔を自分たちがお客さんに与え、さらにぷらすして、あれだけのお客さんの賞賛を得たことのお礼か、ステージ袖に下がらず、最後に向かったのはステージの下、とびきりの笑顔でありがとうというオーディエンスの元だった。
写真:深野輝美
文:ヨシカワクニコ