MGMT

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7/31 11:43  Twitterに投稿する


    あぁ、神様ぁぁぁあぁぁ! ステージに登場したメンバーを観て、思わずひょうきん族の懺悔のコーナー、白塗りの神様か、森ガールならぬ、森ボーイという言葉を連想したのは私だけか!? 2日目の夕方ホワイトステージでは、クロマニヨンズ、One Day As a Lionからの超満員も満員の流れに続き、本国、アメリカだけではなく、イギリスでも先日のグラストでも2ndステージでの出演……とんでもない化け方をしている真っ最中のMGMTを一目見ようと、とんでもない数の人がホワイトステージになだれ込み、どの角度から攻め込んでみても、私の身体が入る隙間もないくらいにパンパンに膨れ上がっていた。その熱気は、ステージすぐ前の2割ほどのカオスゾーンと、静観派8割という構造になっていた。

    2日目も雨が降り、わっくわっく感を疲労感が超える時間帯であることや、気になるアノ曲を観てみたい! ということを考慮しても、ちょっとだけ異様な光景にも見えた。MGMTがバンドとして大きくなっていくスピードを、期待という一見聞こえのいい言葉が一瞬で追い抜かしてしまって、バランスが悪くて、異様に映ったというか。MCや一部のパートでは、ウィスパーヴォイスとなって、煮え切らなさを感じさせられるヴォーカル。いや、悪くはない。これが今のMGMTそのものなんだから。

    ただ、笛1本でメロディラインで始め、徐々に楽器を、そしてヴォーカルラインを加えて行くMGMTワールドへの引き込み方や、”Weekend Wars”の後半の、混沌としたあっちの世界へと誘うかのようなインスト部分の音の構築は、色の3原色に加えて、鈍くてMGMTにしか発色することのできないもう1つの色を苗場へ放っているようだった。ざわ〜っと足下から何かが体内に広がる感覚を何度となく覚えさせられた。比較的飄々と、じっくりと静観させるというライヴの流れはMGMTの思惑通りだったとしたら、何たる末恐ろしい子供たちよ。2枚のアルバムの制作には、デイヴ・フリッドマンやソニック・ブームという、幾何学的音楽の異端児も関わっているというのが、水の中に絵の具を1滴落とすと、透明の水と絵の具の色が融合しようと滲んでいくかのように、それぞれの曲から伝わってきた。

    2割のカオス、8割の静観ゾーンが一気に熱狂の渦になったのは、”Time To Pretend”。そう、みんなはこの曲を待っていたのだ。ステージでギターの弦から花火に持ちかえて、持ってぐるぐる回し、奥地から戻ってきた人も、いっしょになって隅から隅まで笑顔の輪が広がっていった。まだまだのびしろのあるバンドであることは間違いない。


    写真:深野輝美 文:ヨシカワクニコ